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技術士活用促進・開業支援シンポジウム(第4回)

技術士会にはまだ入会していませんが、技術士会中部本部にて標記シンポジウムが開催されたので出席してきました。

1.日時 2019年1月27日(日) 13:10~16:50
2・場所 ウィル愛知(愛知県女性総合センター)セミナールーム6
3.出席者 50名以上となかなか盛況でした。

内容的には、以下の4つの講演です。

(1)何を求めて事業家を目指したか?
   ~独立までのプロセスと独立後のギャップ ~ 中平真一氏
(2)独立開業経験談
   ~やりたいこと、できること、求められること~ 金子利明氏
(3)コンサルタント業務展開の必須スキル
   ~ライフプラン獲得のためのマーケティングを考えよう~ 日比幸人氏
(4)経営管理~創造から未来の建設業へ~ 松谷孝広氏

先ず、出席者は多かったのですが質問する人が非常に少なく、独立開業のシンポジウムというわりには活気の乏しい会合だったなと言うのが率直な印象です。

それはさておき、話を聞いて印象に残ったポイントを記します。

(1)は70才を超えた機械技術者の方の話で、自信と自慢に満ち溢れた方だったことと、専門的な内容が多すぎたので正直あまり参考にならないなと思いました。ただし、ひたすら現場力が大事だというのは、自分自身技術顧問の仕事を経験してみて、問題点を現場から見つけ出す発見力がすごく大事だと言うことを強く思ったので同感です。

その場合の問題点は、ISOの監査で指摘されるような表面的なものではなく、もっと根源的な問題です。

この点について自分はまだまだ足りないなと思うので、色々な方法でスキルアップをするようにします。

(2)のお話が、今回聞いた中で自分にとって一番身近で参考になりました。顧客をどう見つけ出すかと言う点で、ホームページによるアピールも一つのきっかけになるが、実は税理士さんや公認会計士さんと言った他分野の専門家からの紹介が一番実際の仕事につながるとのことでした。

これについては、(3)の講演の方もホームページからの問い合わせは実際の仕事にはなかなか結び付かず、人のつながりの中で来た仕事が一番多いと言われていました。

しかし、ホームページさえ作ってないとそもそも信用されないので、今の時代必須とのことです。

(2)の方は、独立後5年ほどは技術士の資格なしでコンサルタントの仕事を されており、その後取られたので資格を獲得したことで顧客が増えた等の変化がありましたかと質問したら、ほとんど変わらないと仰っていました。資格はあくまで資格なんですね。

資格でもって仕事をするのではなく、あくまで自分自身の資質(コンピテンシー)や人間性で仕事をすべきで、技術士の資格はあくまで自己研鑽のきっかけだということだと思います。

(3)の方は、経営工学の技術士と総合技術監査部門の技術士を同時受験し一発合格されたものすごく優秀な方ですし、しかも中小技術診断士や技術経営修士(MOT)の資格ももっておられるとんでもない方ですが、お話の中で一番参考になったのは、技術士は良い意味で選良なので、ノブリスオブリージュ(社会的地位の高い人間が具備すべき社会的責任と義務)を意識しなさいということです。

あと、顧客が求めているのは知識ではなく、「適応可否の判断」ですよというのも、なるほどなと思い当たる部分がありました。あと、人の話を聞き出す際に「SPIN法」を活用すると良いですよと言われたので、「適応可否判断」のポイントも含めて今度勉強してみたいと思います。

(4)の方は、いかにもザ・関西人と言う感じで面白かったですが、早口でまくしたてられたことと、内容が建設業界に特化されていたため大部分良く理解できませんでした。一つ印象に残っているのは、若い時に独立した人は大きなリスクを背負って覚悟をもって仕事を始めているので大成する可能性があるが、65才を過ぎたような人は、もうそういう覚悟がもてないので成功は難しい的なことを言われていて、まあ現実はそうだろうなと思いました。



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