前回までの検討を踏まえて、新型コロナウイルスへの対処の仕方について、 私なりの結論をまとめてみました。 1.流行の初期段階においては特に、検査により市中に入り込んだアクティブな 感染者をいかに早く見つけ、そしてきちんとした隔離を行うかが極めて重要 です。十分なPCR検査体制は、アクティブな感染者を早くみつけ、また感染 の急激な拡大を先延ばしする上で決定的に重要です。 2.初期段階において、検査と隔離を怠って一旦感染を拡大させてしまうと、 その後に検査能力を相当上げたとしても拡大を抑制することは出来ません。 例えば、日本における現状検査能力を他国と同様の10倍程度に上げてたと してもほとんど抑制効果は期待できません。 3.市中感染が拡大してしまった後では、外出制限により他者との接触機会頻度 を下げることが唯一の有効な感染抑制手段となります。 その場合、当然のことながらより早い段階から、より強力に行うほど効果が あります。 4.外出制限で見掛けの新規感染者数が大幅に減ったとしても、一旦市中感染が 拡大した後は市中にアクティブな感染者が相当数残っており、その後に外出 制限を大幅に緩和すると、そういった人たちが火元になって再び感染者数が 拡大します。 5.従って、モニタリングすべき指標は市中におけるアクティブな感染者の割合 です。この割合が高くなると、日々の感染者の増加でクラスターを追いきれ なくなり、更に病院が過負荷となる可能性が大きくなります。 6.抗体検査は、免疫をまだ獲得していない人の割合を見出す上では価値があり ますが、感染の現状を示すのではなくあくまで過去のことを知る手がかりで す。 現在の生々しい状態を知るにはやはりPCRあるいはそれに準じる 精度 の 検査によって、アクティブな市中感染率を知ることが必要です。
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