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5月, 2019の投稿を表示しています

2019.5.25 国際活動報告会

技術士の国際活動に興味があったので、標記報告会に参加しました。 全体的な印象としては、技術士会の国際活動は方向性を試行錯誤しており、色々な課題を抱えているなというものでした。 1.国際委員会の活動、国際交流活動報告 日韓技術士交流委員会と海外活動支援委員会が下部組織として存在していますが、 日韓技術士交流委員会などはむしろ国際委員会そのものより歴史が深く、言わば独立した委員会として活動を行っている印象でした。 韓国以外に具体的に交流活動をしている国としては、台湾、中国、ベトナム、シンガポール、オーストラリア、英国などがあり、一部合同で講演会や研究会を開催したりしていますが、とても活発とは言えない報告内容でした。台湾や中国などでは技術士の海外活動支援を行っていましたが最近は下火になり、ベトナムを次のターゲットとして考えているようですが、渡航費用は日本持ちという制約があってなかなか進まないようです。日本が先進的で、日本の技術を指導するという時代ではなくなってきていると思います。 今後日本の技術が国際貢献できる分野があるとすれば、恐らく環境技術、自然災害対応技術、 材料に関するものづくり技術、 高付加価値農業技術などでしょう。しかし、少なくとも後者の2つは、将来においても日本の競争力(国内生産ベースの輸出競争力)を維持する上で虎の子となる技術なので、安易に技術を移転する支援を行わない方が良い可能性もあります。 そういったことも含めて、国際委員会の活動の方向性をもう少し明確にしていった方が良いと感じました。 なお、自分自身興味がある台湾に関しては台湾貿易センターというところが窓口になっているようです。ここは、日本でいうとJETOROにあたる組織で、見本市の開催や台湾企業の貿易支援が主な業務ですが、HiRecruit海外人材登録サービスと言う人材マッチングサービスも行っています。 中国関連では、技術士になってから日中交流センターという組織からやたら案内が来るようになりましたが、ここは日本技術士会の内部組織ではなく、あくまで会員による自主活動組織であって、国際委員会としては活動内容には関知しないことを初めて知りました。他の参加者も誤解していましたが、少し紛らわしい活動です。 2.海外活動支援委員会 ここは、技術士が海外活動を行う上で必要な各種...

2019.5.23 化学部会講演会 及び説明会

元の会社の先輩技術士である高井さんから紹介をされた、化学部会理事の福井さんにお会いする目的も兼ねて標記講演会に参加しました。参加者は30名以上と、中部本部の同様の会合に比べるとさすがに盛況でしたし、雰囲気もややかしこまった感じでした。 1.機能性材料としてのブロック共重合体・・・日本化薬 白井技術士 白井さんは化学部会の若手の会幹事もやられている若い方です。今回ご自身の仕事に関わる標記内容の講演をされ、日本化薬の歴史と事業分野の紹介及び、ポリマーアロイの話をされました。 日本化薬は工業用ダイナマイトを日本で初めて工業化した会社ですが、軍事用には関わっていないと強調されてのが印象的でした。面白かったのは、その派生としてエアーバッグ用火薬で新しい事業部が出来ているとのことや、原料であるニトログリセリンが医薬分野の柱の一つになっているとのことです。 ポリマーアロイで興味があったのは、共重合体の場合、単なるポリマーブレンドとは異なってミクロ層分離によってナノ構造を形成するとの話でした。また、最近は自己組織化を利用してナノ構造を制御し、機能材料を生み出すことが色々試みられているようです。 2.撹拌槽における諸現象の可視化と定量化・・・横浜国立大学 上ノ山教授 内容としては、まさに化学工学の講義といった感じで、昔懐かしい「連続の式」や「Navier-Stokes」の式を用い、 撹拌槽内部の流動を数値解析するモデルの紹介でした。 スラリー系の解析例では、粘度が高い高濃度スラリーと粘度が低い低粘度スラリーの混合過程のシミュレーションを説明して下さいました。 自分自身目新しかったのは、電気抵抗法を始めとするトモグラフィーによって撹拌槽内の流動状態を可視化する試みです。これがどの程度実用的かは正直良くわからないですが、スラリー混合における粒子挙動解析に利用できたら面白いかも知れないです。 講演に引き続いて化学部会の紹介がありました。 化学部会の正会員数は全国で453名です。 続いて行われた新合格者の歓迎会では、福井理事を始め、沢木副部会長、渡辺次期部会長、佐々木幹事、大木幹事などと親しく懇談をさせて頂きました。

2019.5.18 中部本部化学部会 第1回講演会への参加

2019年5月18日に開催された中部本部化学部会主催の第一回講演会に参加しました。 第一印象としては、出席人数が約18名と思ったより小じんまりしてて、非常にアットホームな雰囲気の会だと感じたことです。同日行われた技術士会中部本部主催の新合格者説明会に配られた資料で知りましたが、中部本部所属の化学部門(金属部門を含む)の技術士は69名しかいないので、それでも約3割が出席されてたことになります。 因みに、全部門の合計は1229名だそうです。 講演会については2件の発表がありました。 1.自動車部品における表面処理技術・・・岡田恭明氏 中部本部の化学部会は 名前は化学部会になっていますが、活動は金属部会と合同で行っていて、岡田さんは金属部門の技術士の方です。トヨタ系列の金属部品表面処理に関わっていらして、金属材料に対する表面処理の基礎から応用に至る幅広い分野の技術紹介をされていました。 表面処理の主な目的としては、機械部品の摩擦低減と多様な環境下での防食を挙げられており、更にそれらを環境負荷が出来るだけ小さい方法で行うことが現在及び将来の課題だと話されていました。 2. 材料技術者の品質管理(SQC)の実践・・・鶴田忠志氏(デンソー) 鶴田さんは、化学部門、経営工学部門、応用理学部門、総合技術監理部門の4部門の技術士資格を持っておられる方です。 今回品質管理における統計的手法に関して、実務的に役立ちそうなお話をされていました。QC工程図の実務的な利用方法や、データ検定の仕方などについてなかなか興味深い話が多かったです。特性要因図なども非常に体系的かつ緻密なものを作られ、QCサークルのようにボトムアップ式で活用しようというより、もっと管理的な問題解決手段として積極的に活用しようとされている姿が見え、納得が得られました。