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システム安全工学

・システム安全工学手法

  FMEA・・・ボトムアップ型手法
  HAZOP
  HAZID
  フォールトツリー分析(FTA)・・・トップダウン型手法
    頂上事象、最小カットセット、コモン事象
  イベントツリー分析(ETA)
    初期事象、防護機能
  What if
・ヒューマンエラー分析(人的過誤分析)
  人的過誤確率(HEP)
  トライポッド理論
  THERP
  HEART
  行動形成要因(PSF)
  MORT
  J-HPES
  VTA
・システム信頼度解析
  信頼度
  直列システム
  並列システム
・ベイズ統計
・ベイジアンネットワーク
・人間工学原則の遵守
・制御システム
・故障モード
・根本原因分析
・冗長性
・冗長安全
             『総合技術監理 キーワード集 2019』より抜粋

これらのうち、HAZIDとはHazard Identifucation Studyのことです。

 What-ifは、評価チームのメンバーそれぞれの気付きにより、「ポンプが故障で停まったら」、「バルブが閉まったら」、「不純物が混入したら」といった異常の引き金事象を想定し、それが発生した際のプロセスへの影響の検討、安全策の妥当性を評価する手法です。
HAZOPが、ガイドワードとプロセスパラメータを組み合わせることによりプロセス異常を想定し、その原因を洗い出すやり方で系統的・網羅的であるのに対し、What-ifの方が簡単な手法です
          ・・・高木伸夫氏 セーフティーはーと記事より抜粋

THERP(Technique for Human Error Rate Prediction)では、一連の仕事を解釈、操作、読み取りなどの単位的タスクに分け、HRA-ETと呼ばれるイベントツリーを作成する。そして、ツリーの各枝に単位的タスクの成功あるいは失敗の確率を与えて、最終的に仕事の成功または失敗の確率を導出する方法です。 
・・・寺田武久氏、井上紘一氏によるヒューマンエラーの評価法に関する記事(計測と制御)より抜粋 

上記記事の中で、ヒューマンエラーの原因をやり忘れ、やりそこない、順序間違い、筋違いの行為、時間過誤(遅すぎ、早すぎ)に分類していたのが分かりやすかったです。

HEARTは良くわかりませんでした。
行動形成要因とは、標準的な作業からのずれを起こす可能性のある要因のことであり、 機械や環境等による外的要因と性格などに基づく内的要因に分けられます。

MORT(Management Oversight Risk Tree)とは、チェックリストに基づく安全評価法のことです。

J-HPES (Japanese Version of Human Performance Enhancement System)とは電力中央研究所が開発した、人的要因に基づいて事故やトラブルの根本原因を評価する安全管理システムです。

VTA(Variation tree analysis)とは、時系列に沿って事故につながるヒューマンエラーをフローチャートに書き込んでいき、事故要因を探る方法です。

ベイズ統計と言うのは説明が難しいですが、簡単に言えば古典統計学が決定論による客観確率を基にしているのに対し、ベイズ統計では先験的な情報を加味した主観確率に基づいているということのようです。
 
ベイジアンネットワークとは、複数の確率変数の定性的な依存関係をグラフ構造によって表わし、個々の変数の間の定量的関係を条件付き確率で表した確率モデルとのことですが、正直良くわかりません。

安全解析には色々な手法があり複雑ですね。











コメント

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新型コロナウイルス直近の状況について

前回、今のままだと懸念が大きい旨記しましたが、あれから約1カ月が 経ち傾向がはっきりとしてきました。 1カ月前に東京の新規感染者数は30~40人/日レベルだったのが、現在は200~ 300人と7~8倍に増加し、全国に至っては50~60人/日が500~600人/日と10倍 に増加しています。 残念ながら、この結果は「攻めの検査」によるものとは決して言えず、明らかに 市中感染が拡大している結果です。 昨日、政府による現状認識に関する記者会見がありました。それを見て思ったこと をまとめます。 1. 今後、爆発的に拡大したり、逆に収束したりする可能性は低く、緩やかに増加  するか、同じ水準を保つか、緩やかに減少するか3つに1つであるだろう。     但し、そのうちどれになるかは神のみぞ知る領域であるとの見解でした。  そもそも感染爆発の定義自体が曖昧な中で、このように合理的な根拠のない話を  すること自体信じがたいです。  説明に使われてたグラフの縦軸がもし日々の感染者数だとしたら、緩やかに増加  イコール指数関数的な増加です。  あと、現在は市中感染のレベルじゃないという判断をしていましたが、市中感染  の定義自体も曖昧です。そもそも、第1波の消え残り的な潜在的感染者が市中に  存在していたはずなので、もう市中感染レベルですし、そもそも客観的な感染率  を見出していない中で結論じみたことは言えないはずです。 2.一番気になるのは、いまだに対策の柱が「個人レベルへの注意喚起」と   「クラスター対策」に留まっていることです。  いわゆる第1波を経て、人々は既に相当レベルの注意をしているのに注意喚起を  強める程度では拡大速度を少しだけ緩めるだけの効果しかありません。  そもそも人間はロボットじゃないですし、それに行動目標自体があいまいな中で    当然個人ごとに解釈のずれや分布も生まれます。  怖いのは、うまくいかなかった時に、為政者側は注意喚起したのに国民がそれに    従わなかったせいだと、責任のがれに利用される可能性が大きいことです。 3.クラスター対策がうまくいくのは、あくまで感染初期です。しかもそれは、    大規模な検査による多くの陽性者の発見とセットになって初めて成功します...

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