技術士合格者歓迎会を兼ねた、長野県支部主催の講演会(CPD研修会)に参加しました。
初めにびっくりしたのは、最初の講師が現在の技術士会会長の高木茂知氏だったことです。つい先日届いた「技術士登録証」の名前が高木会長名だったので、そのご本人に身近にお会い出来て光栄でした。
申し訳ないですが、なぜこんな一地方の県の支部にと思ったら、信州大学ご卒業で奥さんも塩尻出身の方なので随分長野県とご縁があるとのことでした。 但し、今年6月で任期が切れて別の方に代わられるとのことなので少し残念です。
高木会長のお話はご自身の経歴の内容が半分以上でしたが、後半は技術士会が現在抱えている問題と将来の方向性について結構突っ込んだお話をされていました。
印象に残ったことを簡単にまとめます。
現在技術士の登録者数は9万人弱いますが、技術士会の正会員数は約1万5千人です。
実は技術士は一旦登録されると、廃業届もないし死去されてもわからないそうです。その主原因は更新制じゃないことにあるとみており、それもあって諸外国と同様更新制に舵を切ろうとしている狙いが良くわかりました。人数の差の原因としては、無くなられた方及び、技術士としての登録はしても技術士会に入るのは最初からしない、あるいは途中からやめてしまう人も結構いるものと予想されます。
技術士の今後の方向性として、国際化への対応や資質向上責務の検証化、社会的地位の向上などがありますが、社会的地位の更なる向上に関しては会長ご自身の意向として産業界に積極的に働きかけていくと言われていました。
技術士になったばかりの身ではありますが、これについて私自身の考えを少しまとめてみたいと思います。
先ず、技術士と言う資格が産業界にとって本当に必要なのかどうかと言うことを先ずは謙虚に考えてみる必要があると思います。土木建築系を除けば、現状はそれを取れば数ある資格の中では多少高い報奨金が出るレベルの位置づけに過ぎません。技術系の資格で言えば、弁理士と比べ専門性は評価されていないと思います。極端に言ってしまうと、単なる自己啓発の道具に過ぎず、その資格が世の中に無くても多くの産業界としては困らないというのが実態です。
ではなぜ困っていないかと言うと2つの側面があります。一つはそもそもあまり意義を認めていないこと。もう一つは意義を認めたとしても、技術コンサルタントあるいはPEとして独立して働ける技術者の流動的な市場がなく、子飼いの技術者として置いていけるので困らないという側面です。
あまり意義を認めていないことの原因としては、技術士に求められるコンピテンシーは企業人としても求められるものばかりであり、その評価は企業が求める価値に基づき、企業自身が最終的に判断すると思っているからです。
経営者の中に技術士がいる会社はともかく、そうじゃない会社は余計にそういった自負があるものと予想されます。
それを打破する為には、技術士のネットワークを最大限生かせる仕組み作りが必要だと思います。考えてみると、技術士会1万5千人の集団はすごいスペシャリスト集団です。例えばその集団で会社を作ったとしたら、何でもできる可能性を秘めています。もちろん会社は作れませんが、公的コンサルタント集団としてより総合力を発揮できる組織を作れたら面白いと思います。
今現在は、企業という縦の糸が太すぎて横断的な技術の力を十分発揮できていないと思います。横糸の活かし方は、現在個人の力量に任されています 。つまり、個人がどれだけネットワークを作れるかに任されていますが、それをもっと組織的システム的に行えるような仕組み作りが必要じゃないかと思います。
企業内技術者だけの集団だとどうしてもドツボにはまりやすくなります。それは薄々経営者も感じ取っています。従って、上記のような取り組みは秘密情報の保護が保証されれば企業サイドからも評価されるものと思います。
高木会長の講演に対する感想は以上ですが、2番目には長野県支部の初代支部長だった有賀良夫さんの技術者倫理に関する講演がありました。
なお、長野県支部に属している化学部門の技術士は今まで1人しかいなくて、私が2人目となりました。そして、びっくりすることにその人は私と同じく会社出身でした。
技術士の世界は結構狭いです。
初めにびっくりしたのは、最初の講師が現在の技術士会会長の高木茂知氏だったことです。つい先日届いた「技術士登録証」の名前が高木会長名だったので、そのご本人に身近にお会い出来て光栄でした。
申し訳ないですが、なぜこんな一地方の県の支部にと思ったら、信州大学ご卒業で奥さんも塩尻出身の方なので随分長野県とご縁があるとのことでした。 但し、今年6月で任期が切れて別の方に代わられるとのことなので少し残念です。
高木会長のお話はご自身の経歴の内容が半分以上でしたが、後半は技術士会が現在抱えている問題と将来の方向性について結構突っ込んだお話をされていました。
印象に残ったことを簡単にまとめます。
現在技術士の登録者数は9万人弱いますが、技術士会の正会員数は約1万5千人です。
実は技術士は一旦登録されると、廃業届もないし死去されてもわからないそうです。その主原因は更新制じゃないことにあるとみており、それもあって諸外国と同様更新制に舵を切ろうとしている狙いが良くわかりました。人数の差の原因としては、無くなられた方及び、技術士としての登録はしても技術士会に入るのは最初からしない、あるいは途中からやめてしまう人も結構いるものと予想されます。
技術士の今後の方向性として、国際化への対応や資質向上責務の検証化、社会的地位の向上などがありますが、社会的地位の更なる向上に関しては会長ご自身の意向として産業界に積極的に働きかけていくと言われていました。
技術士になったばかりの身ではありますが、これについて私自身の考えを少しまとめてみたいと思います。
先ず、技術士と言う資格が産業界にとって本当に必要なのかどうかと言うことを先ずは謙虚に考えてみる必要があると思います。土木建築系を除けば、現状はそれを取れば数ある資格の中では多少高い報奨金が出るレベルの位置づけに過ぎません。技術系の資格で言えば、弁理士と比べ専門性は評価されていないと思います。極端に言ってしまうと、単なる自己啓発の道具に過ぎず、その資格が世の中に無くても多くの産業界としては困らないというのが実態です。
ではなぜ困っていないかと言うと2つの側面があります。一つはそもそもあまり意義を認めていないこと。もう一つは意義を認めたとしても、技術コンサルタントあるいはPEとして独立して働ける技術者の流動的な市場がなく、子飼いの技術者として置いていけるので困らないという側面です。
あまり意義を認めていないことの原因としては、技術士に求められるコンピテンシーは企業人としても求められるものばかりであり、その評価は企業が求める価値に基づき、企業自身が最終的に判断すると思っているからです。
経営者の中に技術士がいる会社はともかく、そうじゃない会社は余計にそういった自負があるものと予想されます。
それを打破する為には、技術士のネットワークを最大限生かせる仕組み作りが必要だと思います。考えてみると、技術士会1万5千人の集団はすごいスペシャリスト集団です。例えばその集団で会社を作ったとしたら、何でもできる可能性を秘めています。もちろん会社は作れませんが、公的コンサルタント集団としてより総合力を発揮できる組織を作れたら面白いと思います。
今現在は、企業という縦の糸が太すぎて横断的な技術の力を十分発揮できていないと思います。横糸の活かし方は、現在個人の力量に任されています 。つまり、個人がどれだけネットワークを作れるかに任されていますが、それをもっと組織的システム的に行えるような仕組み作りが必要じゃないかと思います。
企業内技術者だけの集団だとどうしてもドツボにはまりやすくなります。それは薄々経営者も感じ取っています。従って、上記のような取り組みは秘密情報の保護が保証されれば企業サイドからも評価されるものと思います。
高木会長の講演に対する感想は以上ですが、2番目には長野県支部の初代支部長だった有賀良夫さんの技術者倫理に関する講演がありました。
なお、長野県支部に属している化学部門の技術士は今まで1人しかいなくて、私が2人目となりました。そして、びっくりすることにその人は私と同じく会社出身でした。
技術士の世界は結構狭いです。
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