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コロナ感染速度試算(2)

今回は、PCRによる検査と隔離の問題について検討してみます。

前回出した指数関係(免疫獲得効果有り)を基準として、検査と隔離を行ったら
どの程度効果があるかについて調べてみます。

但し、良く知られている通り、日本の検査数は先進国の中で最低レベルでしかも
選択的な検査しかされてこなかったので、それをどうシミュレーションで扱うか
は難しい課題でした。

取りあえず現状をまとめてみます。
現在のPCR検査能力は、実態ベースで言えば一日に最大12000件です。これが
全て新規感染者の発見に用いられたとしても、日本の人口10万人当たりに換算
すると1日10人の検査能力ということになります。
さらに、現在陽性率は10%前後で推移していますので、10人検査してそのうち
1人の感染者を発見できる能力ということになります。

そこでこの数値を基準にして、PCR検査を始めてから人口10万人当たり1日に1人
感染者を見出して隔離を行うと仮定して、累積感染者数を計算してみました。

10万人の母集団の中で、例えば数人しか感染者がいない場合に、そのうちの1人
を発見するのは相当難しいとは思いますが、何か前提をおかないと検討が出来
ないので、取りあえずこの仮定で進めました。

PCR検査を開始するタイミングを変数として変えて試算を行っています。
結果は次の通りになりました。



これからわかる通り、
1. 感染が始まってから、検査と隔離を早くスタートするほど感染拡大を抑止
 できることがわかります。
2. さらに、4週間後に開始のデータで分かるとおり、あるタイミングより早く
 始めると、早期に収束させられることもわかります。この理由は簡単で、
 まだ感染した人数が少ない段階でその人を隔離できたら拡大因子が取り除け、
 更に免疫獲得による感染力の減少も加味されるからです。
3.   なお、4週間後の時点の感染者数は13人であり、市中感染率に換算すると
 0.013%になり、感染率がこれより高くなったら多かれ少なかれ感染者の拡大
 を防ぐことが出来ないことを示します。

因みに、検査と隔離を行うタイミングが遅くなると、感染開始から100日経過で
感染者数は3000人になり、市中感染率は3%に達します。日本は、このレベルに
達しているのではと思っています。

コロナに限らずだとは思いますが、感染症の拡大局面においては1週間単位での
対処の遅れが、その後の局面変化に大きな影響を及ぼす点が非常に怖いところ
です。

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