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コロナ感染速度試算(3)

前回の検討では、PCR検査を始めてから人口10万人当たり1日に1人 感染 者 を見出 して隔離を行うと仮定し、累積感染者数を計算しました。 今回、PCR検査の数を増した場合の検討を行いました。 陽性者を発見隔離できる人数を一日当たり2人、3人、4人と増した場合の累積 感染者数の 変化を、前回の1人の場合と合わせて以下の図に示します。 陽性隔離者が1人/日・10 万人の場合、4週間目までに検査、隔離が出来れば 感染の拡大を防げましたが、陽性隔離者が2人/日・10 万人の場合、その期間が 5週間に、陽性隔離者が3人/日・10 万人の場合は6週間に、それぞれ伸び ます。 陽性隔離者が4人/日・10 万人の場合は7週目に発見隔離開始によって一旦 50人 レベルで落ち着きますが、その後暫増します。これからすると、6.5週目 まで に発見、隔離が出来れば、収束させることが出来ると予想されます。 また、1日当たりの陽性隔離者が多いほど、全般に累積感染者の拡大が抑制され る 傾向がわかります。 上記の傾向を別の視点で下図のように整理してみました。代表的に100日目の 累積感染者数を求めています。 この図を見ると、感染症においては早期の検査(感染者の発見)と隔離が重要 だと いくことが改めて良く分かります。

コロナ感染速度試算(2)

今回は、PCRによる検査と隔離の問題について検討してみます。 前回出した指数関係(免疫獲得効果有り)を基準として、検査と隔離を行ったら どの程度効果があるか について調べてみます。 但し、良く知られている通り、日本の検査数は先進国の中で最低レベルでしかも 選択的な検査しかされてこなかったので、それをどうシミュレーションで扱うか は難しい課題でした。 取りあえず現状をまとめてみます。 現在のPCR検査能力は、実態ベースで言えば一日に最大12000件です。これが 全て 新規感染者の発見に用いられたとしても、日本の人口10万人当たりに換算 すると 1日10人の検査能力ということになります。 さらに、現在陽性率は10%前後で推移していますので、10人検査してそのうち 1人 の感染者を発見できる能力ということになります。 そこでこの数値を基準にして、PCR検査を始めてから人口10万人当たり1日に1人 感染者を見出して隔離を行うと仮定して、累積感染者数を計算してみました。 10万人の母集団の中で、例えば数人しか感染者がいない場合に、そのうちの1人 を発見するのは相当難しいとは思いますが、何か前提をおかないと検討が出来 ない ので、取りあえずこの仮定で進めました。 PCR検査を開始するタイミングを変数として変えて試算を行っています。 結果は次の通りになりました。 これからわかる通り、 1. 感染が始まってから、検査と隔離を早くスタートするほど感染拡大を抑止  できる ことがわかります。 2. さらに、4週間後に開始のデータで分かるとおり、あるタイミングより早く  始め ると、早期に収束させられることもわかります。この理由は簡単で、  まだ感染 した人数が少ない段階でその人を隔離できたら拡大因子が取り除け、  更に免疫獲得 による感染力の減少も加味されるからです。 3.   なお、4週間後の時点の感染者数は13人であり、市中感染率に換算すると  0.013%になり、感染率がこれより高くなったら多かれ少なかれ感染者の拡大  を防ぐことが出来ないことを示します。 因みに、検査と隔離を行うタイミングが遅くなると、感染開始から100日経過で 感染者数は3000人になり、市中感染率は3%に達します。日...

コロナ感染速度試算(1)

コロナ感染者数について、私なりにシミュレーションをしてみた結果を書き ます。 但し、このシミュレーションは中高校生レベルの数学を用いたごくごく簡単な もので、あくまで大まかに理解する為にやってみました。 1.感染拡大指数の試算   感染者の拡大が指数関数に当てはまると仮定して、その母数 ε の値を算出   しました。   つまり、感染者数:y =a ×ε ^ x (ここで、x は経過日数)   東洋経済新聞社がWebで公開している全国の感染データのうちの3/28から   4/8のデータを元に母数を求めた結果は1.100でした。   この値は、感染者数が約7.3日で2倍になる比率に相当します。   なお、本来なら実際の市中感染者数のデータがあればそれを用いるべき   ですが無いので、検査が代表サンプルとなっていて指数関係は変わらない   と仮定しました。      今後の検討は、この式を基本にします。もちろん、感染者数が増大し感染者  密度が下がり段々飽和していくのでずっとこの曲線にのることは無いです  が、 感染率が低い段階では近似的に指数関数モデルが成り立つと仮定しま  した。 2.感染者数の拡大傾向減少要因   減少要因として、一つは感染してから3週間後には全感染者の2%が死亡   し、 残り全員が治癒すると仮定しました。さらに、3週間後に治癒した人は   他の 人に感染させる能力が無くなると仮定しました。   簡単のため、10万人の母集団を考え、始めは感染者一人からスタートする   とします。そして感染者1人からスタートし、感染者数が指数関数的に増大   する中で、3週間目以降は上記の減少要因を加味して累積の新規感染者数を   推算してみました。      なお、今後の検討で算出する累積感染者数は、免疫を獲得するか又は死亡   して他者への感染力が無くなった人を除いた、言わばアクティブな陽性者   の累積 と捉えて下さい。    感染者が免疫獲得によって3週間後に他者への伝染力が無くなるとする   と、 拡大が抑制される。   

総合技術監理部門 学習の流れ

前回の投稿では、使用した教材を主に紹介しましたが、ここでは学習の流れを振り返りたいと思います。  但し、これから受験する人に一番何を伝えたいかと言えば、「自分に合った勉強方法を自分で見つけ、自分自身である程度の自信を持てるまで頑張って下さい」ということです。  その前提で、参考になるかどうかは分かりませんが、私自身の例を書きます。 2月「聴く!技術士総合技術監理部門のツボ」を熟読。   「総合技術監理部門標準テキスト」を用いて、総監で必要なキーワード学習    開始。    学習した内容を自分自身整理する為に、このブログをメモ代わりに使用    した。   「環境管理」を中心に学習。 3月 同じやり方で「情報管理」を中心に学習。 4月 択一問題の過去5年間分の問題を解答練習(正答率約40%)。    受験申込書の提出。    なお、「経歴」は凡そ化学部門の受験の時と同じですが、業務内容のところ    にはリスクマネジメントも行った旨も入れて書き替えた。    また、「業務内容の詳細」は何を選んで書こうか迷いましたが、自分自身が    前面に立って行った管理業務のうちで、なおかつトレードオフ課題の抽出や    リスク評価の観点で書きやすいものを選んで書いた。あまり大きなテーマで    選んでしまうと、具体的な内容が発散してしまい、書きづらくなってしまう    ので、口頭試験を終えた印象としても、このテーマ選択は正解だったと考え    ている。    (なお、受験申込書は第三者の添削を受けていない。) 5月 記述問題の予想と、解答原稿案作成。 6月 択一問題過去問の再整理。    キーワードの再整理。    キーワードに関連してこれまでに教材で調べたこと、あるいはインター    ネットの情報などで補足した事がらのうちで、ぜひ覚えるべきと判断した    内容をパワー    ポイント形式でまとめた。化学部門の時もそうだったが、結局このように    して自分自身で作ったキーワード集が学習の集大成となった。 7月 筆記試験日まで、上記のキーワード集を毎日見て覚えることと、過去問で    間違えた問題を正解するまで何度も解いた。    記述問題を手書きで書く練習も少し行った。 10月 筆記試験合格発...

総合技術監理部門 試験合格

3月6日に合否発表があり、無事合格していたことを確認しました。  ある程度予想していたとは言え、やはりうれしいです。総合技術監理の化学部門全体で言えば合格者3名でした。昨年はゼロでしたが、それまでの年に比べると昨年だけが異常だったのかなと思います。さすがにゼロが続くとまずいので、今年は基準を少し甘くとったかも知れませんが・・・。  化学部門で合格したときと同じように、改めてどういう勉強をしたかについて備忘録としてまとめておきたいと思います。  化学部門の時は、新技術開発センターの講座を受けることを勉強の軸としましたが、総合技術監理部門の試験は、基本市販の教材のみを用いて独習しました。但し、新技術開発センターの講座の中で特に田淵さんの講義は全部門共通の内容であり、テキストも含めて総合技術監理を包含していたので、受講したこと自体、総合技術監理においても役に立ちました。  独習にあたって用いた教材は以下の通りです。 ①「総合技術監理部門標準テキスト」 福田 遵著 日刊工業新聞社 ②「聴く!技術士総合技術監理部門のツボ」 ビジネスマン自立実践会著 学芸出版社 ③「総合技術監理部門 傾向と対策」 CEネットワーク編 鹿島出版会 ④「総合技術監理部門 択一式問題集」 CEネットワーク編 鹿島出版会  あと補足的に次の白書も購入して一通り目を通しました。 「環境白書」 「情報通信白書」  教材はこれだけですが、あとはもちろん文部科学省から出された「総合技術監理部門の技術体系(キーワード}について」が、必ず目を通さなければならない資料であることは間違いありません。  教材のうち、①はとっかかりとして総監に必要なキーワードをざっくり理解するのに役立ちました。②は総合技術監理部門の技術士が持つべき志や、5つの管理同士のトレードオフを勘案し、全体最適化を目指すストーリーの組み立て方やリスク管理を学ぶ上で役立ちました。これらは、二次試験の記述問題を解く上での論理組み立ての元になります。  但し、私が今回受けた二次試験に限って言えば、この本のような論理展開がきちんと出来たとはあまり思えない面もありますし、本に付属のCDは結局聞きませんでした。  教材の③と④はより実践的な内容の本で、内容が詳細かつ具体的です。その代わり、特に②はキーワードがやた...

総監口頭試験

今日(1/20)総監の口頭試験が無事終わりました。 実を言うと、昨日夜の時点で一旦覚えたことが一時的にブラックアウトしてしまい、一体どうなってしまうんだろうと強く危惧しましたが、終わってみれば拍子抜けするぐらいにあっけなく終わりました。 化学部門の口頭試験の時もそうでしたが、やはり最初のプレゼンのパートをきっちり覚えてスラスラと言えれば、その後の質疑応答は何とかこなせることを改めて実感しました。 今回、ガチンコ学園から教えてもらったものや昨年の総監口頭試験で出されたものを中心に100以上の想定質問を用意し試験に臨みましたが、その中で実際に出た問題は2問ほどでした。それ以外は、どちらかと言えば雑談に近く、面接時間も本来は20分間ギリギリ取られるはずが、自分の場合は15分ほどで「もう終わりで結構です」と言われてしまいました。 一番答えに困った問題は、「製造部長の立場で協力企業との関係をどうしたのか、総合技術監理の立場で答えなさい」というものでした。この質問だけは、あまり適確な答えが出来なかったと思います。 一般的に、そもそも口頭試験は落とすのが目的ではなく基本合格させるための試験であり、面接官が答えに納得いかない場合は追加の質問が畳みかけられて、時間がむしろ超過する傾向があると言われています。 自分の場合を改めて振り返ると、終始穏やかな語り掛けであり追加の質問もなかったので、恐らく合格の判定をもらえるものと思います。 思い起こせば、技術士の一次試験を受けようと思い勉強を始めてから最短3年でここまで辿りつけたので、自分としては上出来です。 技術系の試験を受けるのはこれを最後にしようと思いますので、これからはこの資格を可能な限り生かして今後の人生を歩んでいこうと思います。

危機管理

1.対象となる不測事態  ① 組織内の経営問題(労働争議、労働災害など)  ② 組織外と関係する経営問題(欠陥商品、顧客情報の漏えい、不正行為など)  ③ 産業災害(爆発、火災、放射能漏れ、危険物質の流出など)  ④ 自然災害(地震、水害、台風、火山噴火、地すべり、豪雪など)  ⑤ 犯罪(テロ、脅迫、誘拐など)  ⑥ その他(戦争や石油危機、暴動のように組織だけでは対応できない危機) 2.危機管理マニュアル (1)危機管理の基本方針・目的・目標 (2)取り上げる被害シナリオ (3)緊急時でも維持すべき通常業務 (4)危機管理体制と責任 (5)危機管理体制の運用 (6)主な緊急対応アクション   ① 社員とその家族、関連会社・工場入場者の安全の確保   ② 企業資産の保全   ③ 業務の早期回復と継続   ④ 被害の早期確認   ⑤ 社内と取引先との情報の収集と伝達   ⑥ 当社を根源とする被害拡大の防止   ⑦ 被害復旧   ⑧ 緊急時に必要な要員の確保:従業員の行動要領策定 従業員が就業時間外              と時間内のそれぞれの場合を策定する。   ⑨ 社外対応(一般のお客様、取引先、官公庁、マスコミ) (7)教育と訓練 (8)情報開示 (9)計画の見直し 3.危機管理活動 (1)危機管理活動のステップ   ①準備段階   ②事前 作業段階   ③緊急事態 対応段階   ④事後 復旧段階 (2)危機管理活動の基本要素   ①最悪の事態 に備える   ②危険と 好機会の認識   ③危機対応の 定義と管理   ④環境の整備   ⑤ダメージ の防止   ⑥効果的解決   ⑦平常への 復帰   ⑧再発防止  4.事業継続計画 (1)BCP・BCMの必要性   企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの 緊急事態に遭遇した場合において   事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続ある いは早期   復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続   のための方法、手 段などを取り決めておく計画   危機管理マニュアルが社員の生命を 守ると言ったより緊...