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2019.6.30 東レ技術士会懇親会

技術士試験の受験仲間である近藤さんの紹介で、標記懇親会に参加させて頂き人脈を広げさせてもらいました。 一つの会社のしかも中部地区だけで、現役の方も何人か含めこういったグループが出来るのは羨ましいです。お会いした方々の印象を備忘録的に記しておきたいと思います。 中村さん(名古屋大学名誉教授)・・・化学工学の粉体系単位操作に係る大御所の先生で、東レさんとはどういうご縁で知り合われたかわかりませんが、前回からこの会に参加されておられるようです。大御所の先生なのに、偉ぶったところは全くなく非常にソフトなお人柄な点が印象的でした。大学の先輩でもありますし、同じ粉体系の方なので今後何か困ったことが出てきたら相談にのって頂こうかなと思います。 井上さん(独立コンサルタント?)・・・東レの大先輩の方で、後述の竹崎さんの元上司とことです。エンプラの合成がご専門のようで、歴史に遡ってものすごく情熱的に語られていたお姿が印象的でした。人に話をするには、哲学をもって学問や産業の歴史も踏まえて話すべきだと仰っており、確かに技術的な内容を表面的に話すだけだと人に感銘を与えられないなと思います。それと関連しますが、Liberal arts(教養)が非常に大事だと仰っていました。 常峯さん(東レ現役)・・・すぐ横に座っておられたので、色々と雑談をさせて頂きました。50代後半とのことで、60才以降どうしようか色々と考えておられる点、自分自身も同年代のころ悩んだ部分があるので共感を覚えました。 上柳さん(東レ現役)・・・中部本部化学部会の会に参加した際に一度お会いしており、現在化学部会幹事をやっておられるので、これからもお会いする機会が多いと思います。 西脇さん(東レ現役)・・・左隣に座って頂いていたのですが、あまりお話する機会はありませんでした。但し、竹崎さん同様30代あるいは40才前後とおぼしきお若い方で、会社の中でこういう方々が技術士として活躍されると、会社自体にとっても得る部分が大きいと思いました。 竹崎さん(東レ現役)・・・今回の幹事をやって頂いた方で、お若いにも関わらず非常に向上心を持っておられ、安全コンサルタントの資格を取られていたり、また近々東京農工大で社会人ドクターの資格を得る為勉強を始めると仰っていました。すごいバイタリティーだなと思います。更に、コンサ...

2019.6.29 長野県支部大会、講演会

標記支部年次大会と東北大学名誉教授の帯刀益夫先生の講演会に参加しました。 講演の演題は「遺伝子とは何か、私がつくる遺伝子アート」という内容で、既に現役を引退されている中で創作されているアートについて、興味深いお話でした。 前半は遺伝子とは何かと言う基礎的な解説があり、その後遺伝子の塩基配列を色に置き換えて色彩パターンを作られ、一種の絵画として視覚的に表現される様子を幾つか紹介されていました。 塩基配列そのものは単なる文字情報の羅列でしか見えないので、それを色彩情報に置き換えることでより身近なものとなり、なおかつ新しい芸術の創造につながるのではないかとのお考えが良く理解できました。 個人的には、パターンが長方形の格子をパターンで埋めていく方法が主体だったので、例えば極座標系あるいは何らかのらせん図形を基にしたパターンで穴埋めできたら、もう少し何かが変わるのではと思いました。 絵画的に表現される以外に、音としてあるいは音楽として表現されようとする試みもなかなか面白かったです。塩基配列のリズム性からすると、こちらの方が相性が良いかも知れません。 科学の世界で非常に高いレベルに到達された方が、心機一転芸術の世界に興味を持たれている姿は、ある面浮世離れされている部分はありますが、素敵だなと思いました。

2019.6.1 中部本部夏季講演会

昨年2018年の世相を表す漢字が「災」だったように、近年自然災害の頻度が顕著に高まっていることから、技術士としても大いに関心を持つべきとの思いで、その内容が含まれていた表記講演会に参加しました。 話題が土木建築系の技術士にとって身近な面があったせいか、参加者が約100名と多く非常に盛況でした。また講師自身二人とも技術士会内部の人ではないので、ある意味技術士を叱咤激励しつつ自由闊達な話が聞け、大変参考になりました。 1.「持続可能性の時代に」・・・中日新聞 飯尾 歩 氏 ここ何十年の社会の動きをマスコミの立場からずっと見てて、地球温暖化の問題にしろ、廃プラスチックスの問題にしろ、農業の問題にしろ、ずっと以前から提起されているのに実はほとんど前進していないですよ、と言うのが飯尾さんの現場的な肌感覚から見た結論です。 最近SDGsがブームになっていますが、書かれていることは至極当たり前のことです。それをブームだからのような感覚で表面的に考えたらダメで、もっと本質的にどうなってきてどうすべきだということを考えなければいけないと示唆されました。 例えば、レジ袋の問題やマイクロプラスチックの問題にしろ、何十年も前から提起されていますが、少なくとも日本では本質的な面で全然改善されておらず、環境先進国だなんて言えたのはもうはるか昔で、今は決してそんなことを言えない状況だといったことを言われていました。 本当のところはどうか、自分自身でも調べてみないと分かりませんが、確かに変わってないなとは思います。 また、森林の持続可能性や農業の持続可能性についても、結局効率化や大きな資本の論理が優先され、日本自身の持続可能性が怪しくなっているとも言われていました。 社会の効率化と持続可能性の追求は、実は相反する面があることを留意すべきだと思います。 2.「次の震災で日本を終わらせないために本当のことを話してみよう」                                                   ...

2019.5.25 国際活動報告会

技術士の国際活動に興味があったので、標記報告会に参加しました。 全体的な印象としては、技術士会の国際活動は方向性を試行錯誤しており、色々な課題を抱えているなというものでした。 1.国際委員会の活動、国際交流活動報告 日韓技術士交流委員会と海外活動支援委員会が下部組織として存在していますが、 日韓技術士交流委員会などはむしろ国際委員会そのものより歴史が深く、言わば独立した委員会として活動を行っている印象でした。 韓国以外に具体的に交流活動をしている国としては、台湾、中国、ベトナム、シンガポール、オーストラリア、英国などがあり、一部合同で講演会や研究会を開催したりしていますが、とても活発とは言えない報告内容でした。台湾や中国などでは技術士の海外活動支援を行っていましたが最近は下火になり、ベトナムを次のターゲットとして考えているようですが、渡航費用は日本持ちという制約があってなかなか進まないようです。日本が先進的で、日本の技術を指導するという時代ではなくなってきていると思います。 今後日本の技術が国際貢献できる分野があるとすれば、恐らく環境技術、自然災害対応技術、 材料に関するものづくり技術、 高付加価値農業技術などでしょう。しかし、少なくとも後者の2つは、将来においても日本の競争力(国内生産ベースの輸出競争力)を維持する上で虎の子となる技術なので、安易に技術を移転する支援を行わない方が良い可能性もあります。 そういったことも含めて、国際委員会の活動の方向性をもう少し明確にしていった方が良いと感じました。 なお、自分自身興味がある台湾に関しては台湾貿易センターというところが窓口になっているようです。ここは、日本でいうとJETOROにあたる組織で、見本市の開催や台湾企業の貿易支援が主な業務ですが、HiRecruit海外人材登録サービスと言う人材マッチングサービスも行っています。 中国関連では、技術士になってから日中交流センターという組織からやたら案内が来るようになりましたが、ここは日本技術士会の内部組織ではなく、あくまで会員による自主活動組織であって、国際委員会としては活動内容には関知しないことを初めて知りました。他の参加者も誤解していましたが、少し紛らわしい活動です。 2.海外活動支援委員会 ここは、技術士が海外活動を行う上で必要な各種...

2019.5.23 化学部会講演会 及び説明会

元の会社の先輩技術士である高井さんから紹介をされた、化学部会理事の福井さんにお会いする目的も兼ねて標記講演会に参加しました。参加者は30名以上と、中部本部の同様の会合に比べるとさすがに盛況でしたし、雰囲気もややかしこまった感じでした。 1.機能性材料としてのブロック共重合体・・・日本化薬 白井技術士 白井さんは化学部会の若手の会幹事もやられている若い方です。今回ご自身の仕事に関わる標記内容の講演をされ、日本化薬の歴史と事業分野の紹介及び、ポリマーアロイの話をされました。 日本化薬は工業用ダイナマイトを日本で初めて工業化した会社ですが、軍事用には関わっていないと強調されてのが印象的でした。面白かったのは、その派生としてエアーバッグ用火薬で新しい事業部が出来ているとのことや、原料であるニトログリセリンが医薬分野の柱の一つになっているとのことです。 ポリマーアロイで興味があったのは、共重合体の場合、単なるポリマーブレンドとは異なってミクロ層分離によってナノ構造を形成するとの話でした。また、最近は自己組織化を利用してナノ構造を制御し、機能材料を生み出すことが色々試みられているようです。 2.撹拌槽における諸現象の可視化と定量化・・・横浜国立大学 上ノ山教授 内容としては、まさに化学工学の講義といった感じで、昔懐かしい「連続の式」や「Navier-Stokes」の式を用い、 撹拌槽内部の流動を数値解析するモデルの紹介でした。 スラリー系の解析例では、粘度が高い高濃度スラリーと粘度が低い低粘度スラリーの混合過程のシミュレーションを説明して下さいました。 自分自身目新しかったのは、電気抵抗法を始めとするトモグラフィーによって撹拌槽内の流動状態を可視化する試みです。これがどの程度実用的かは正直良くわからないですが、スラリー混合における粒子挙動解析に利用できたら面白いかも知れないです。 講演に引き続いて化学部会の紹介がありました。 化学部会の正会員数は全国で453名です。 続いて行われた新合格者の歓迎会では、福井理事を始め、沢木副部会長、渡辺次期部会長、佐々木幹事、大木幹事などと親しく懇談をさせて頂きました。

2019.5.18 中部本部化学部会 第1回講演会への参加

2019年5月18日に開催された中部本部化学部会主催の第一回講演会に参加しました。 第一印象としては、出席人数が約18名と思ったより小じんまりしてて、非常にアットホームな雰囲気の会だと感じたことです。同日行われた技術士会中部本部主催の新合格者説明会に配られた資料で知りましたが、中部本部所属の化学部門(金属部門を含む)の技術士は69名しかいないので、それでも約3割が出席されてたことになります。 因みに、全部門の合計は1229名だそうです。 講演会については2件の発表がありました。 1.自動車部品における表面処理技術・・・岡田恭明氏 中部本部の化学部会は 名前は化学部会になっていますが、活動は金属部会と合同で行っていて、岡田さんは金属部門の技術士の方です。トヨタ系列の金属部品表面処理に関わっていらして、金属材料に対する表面処理の基礎から応用に至る幅広い分野の技術紹介をされていました。 表面処理の主な目的としては、機械部品の摩擦低減と多様な環境下での防食を挙げられており、更にそれらを環境負荷が出来るだけ小さい方法で行うことが現在及び将来の課題だと話されていました。 2. 材料技術者の品質管理(SQC)の実践・・・鶴田忠志氏(デンソー) 鶴田さんは、化学部門、経営工学部門、応用理学部門、総合技術監理部門の4部門の技術士資格を持っておられる方です。 今回品質管理における統計的手法に関して、実務的に役立ちそうなお話をされていました。QC工程図の実務的な利用方法や、データ検定の仕方などについてなかなか興味深い話が多かったです。特性要因図なども非常に体系的かつ緻密なものを作られ、QCサークルのようにボトムアップ式で活用しようというより、もっと管理的な問題解決手段として積極的に活用しようとされている姿が見え、納得が得られました。

2019.4.13 長野県支部主催講演会

技術士合格者歓迎会を兼ねた、長野県支部主催の講演会(CPD研修会)に参加しました。 初めにびっくりしたのは、最初の講師が現在の技術士会会長の高木茂知氏だったことです。つい先日届いた「技術士登録証」の名前が高木会長名だったので、そのご本人に身近にお会い出来て光栄でした。 申し訳ないですが、なぜこんな一地方の県の支部にと思ったら、信州大学ご卒業で奥さんも塩尻出身の方なので随分長野県とご縁があるとのことでした。 但し、今年6月で任期が切れて別の方に代わられるとのことなので少し残念です。 高木会長のお話はご自身の経歴の内容が半分以上でしたが、後半は技術士会が現在抱えている問題と将来の方向性について結構突っ込んだお話をされていました。 印象に残ったことを簡単にまとめます。 現在技術士の登録者数は9万人弱いますが、技術士会の正会員数は約1万5千人です。 実は技術士は一旦登録されると、廃業届もないし死去されてもわからないそうです。その主原因は更新制じゃないことにあるとみており、それもあって諸外国と同様更新制に舵を切ろうとしている狙いが良くわかりました。人数の差の原因としては、無くなられた方及び、技術士としての登録はしても技術士会に入るのは最初からしない、あるいは途中からやめてしまう人も結構いるものと予想されます。 技術士の今後の方向性として、国際化への対応や資質向上責務の検証化、社会的地位の向上などがありますが、社会的地位の更なる向上に関しては会長ご自身の意向として産業界に積極的に働きかけていくと言われていました。 技術士になったばかりの身ではありますが、これについて私自身の考えを少しまとめてみたいと思います。 先ず、技術士と言う資格が産業界にとって本当に必要なのかどうかと言うことを先ずは謙虚に考えてみる必要があると思います。土木建築系を除けば、現状はそれを取れば数ある資格の中では多少高い報奨金が出るレベルの位置づけに過ぎません。技術系の資格で言えば、弁理士と比べ専門性は評価されていないと思います。極端に言ってしまうと、単なる自己啓発の道具に過ぎず、その資格が世の中に無くても多くの産業界としては困らないというのが実態です。 ではなぜ困っていないかと言うと2つの側面があります。一つはそもそもあまり意義を認めていないこと。もう一つは意義を認めたと...